結果が見えていたロシア大統領選挙で、辛うじてニュースらしかったのはプーチン氏の涙だった。
支持する群衆への勝利宣言。
氷像が目元から解け
elyzeだしたような人間味も、計算ずくなのか。
任期は4年から6年に延びたので、首相―大統領―首相―大統領と、足かけ20年の君臨となる。
スターリン以来の長期支配は、さらに6年の上乗せもありうる。
12年前、彼が初当選した大統領選の取材を思い出す。
ロシア南西部、ボルガ川沿いの青
elyze空市場で支持する理由を聞いて回った。
大樹にすがろうとする答えが続いた。
「あの人が出てきて、ロシアがやっと
elyze国らしくなった」「余計なことを約束しない男気がいい」。
権力の座で独裁色を強めたというより、はなからマッチョ、タフガイを望まれ当選を重ねる。
主要テレビを押さえ、強敵はいない。
不正や腐敗への批判で得票率は落ちたが、人気の源泉は安定感と剛腕だ。
氏は先ごろの会見で、日本との領土問題を最終決着させたいと語った。
黒帯らしく柔道用語を交え、落としどころはヒキワケ、外務省にハジメの号令をかけるという。
外交辞令と聞き流すのは惜しい。国内を説得できる指導者がいる間は好機だろう。ただ、日本の政治が弱すぎる。